動く"点P"のものがたり〜くも仙人のおことば〜
みなさん、はじめまして。
私は点 P男 (てん ぴーお)と申します。
みなさん、こんにちは。
私は点 Q美(てん きゅうみ)と申します。
ふたりはt-y王国にて暮らしている。
ちなみにtは過ぎ行く時間、yはしあわせ度を示している。
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t=18のとき
P男は裕福な家庭に生まれ、これまでしあわせな生活を送ってきた。
しかし、
t=18のとき、P男は はじめての挫折を経験した。
P男はt-y王国で俳優になることを夢見ていた。
でも、t-y王国の人々の目は厳しい。
P男の思い通りにはならないものである。
P男はとほうに暮れて...
まちをひとり歩いていた。
大粒の涙をこらえながら。
「どうにでもなってしまえ。」
P男はそう、つぶやいた。
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そんなとき。
数学に詳しい くも仙人がP男の前にあらわれた。
くも仙人「P男よ、そんなに悩むことはない。とりあえず、君にこの言葉を与えよう。」
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P男は目を丸くした。
「全くわからない。」
すると、くも仙人はいった。
「いいことも わるいことも すべて含めて それが、きみの 歩んだ道なのじゃ。」
「私は、きみのt=18までの人生を、ずっとグラフにしてきたのだ。みてごらん。」
P男「...。」
くも「点線はこれからのきみの未来を示している。yが負の数になることはない。」
P男「...」
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t=28のとき
P男はその後、アナウンサーとなった。
今ではt-y王国の朝の顔である。
P男は最近、恋をしている。
Q美ちゃんに好意を抱いているのだ。
★
P男はQ美ちゃんに告白した。
嬉しいことに、ふたりは結婚した。
新たな家族を持つことにもなった。
以下はくも仙人が記録していたグラフである。
P男だけでなく、Q美だって、たのしいことばかりの日々ではなかったことが伺える。
ふたりは、同じような日々を送ってきたのかもしれない。
いま、t=28のとき、ふたりはついに、「接した。」
「点Pと点Qがぶつかるtを求めよ。」
素晴らしい問いである。
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くも仙人が伝えたかったこと
P男「仙人、この前の、あの、数式の意味を教えて下さい。」
「まずは、おめでとう。君は一生Q美さんを大切にするのだよ。y=0になりかけていた時、君に渡したあの数式だね。君は、数式の意味は理解できなくとも、正しい道をその後歩んだではないか。ほら、ごらんよ。」
「一番上が君の現在地じゃ。ここまで、上がったり、下がったり、何度も経験している。」
「よく考えて欲しい。t=1くらいの君から、今の君を見たとき。はるかに上の方にいるではないか。君は何時も夢見てきたから、、、、。」
「いいことも、わるいことも、どちらともに。Lifeの数値を上げてきたのだよ。Lifeの値が負になることは、ないのさ。」
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t=Xのとき。
きっと、しあわせ なのさ。
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